古民家に住んでいると、必ずぶつかるのが「襖(ふすま)の劣化」問題です。
うちの隠居の襖も、長年の日焼けと汚れでかなり年季が入り部屋全体が薄暗い印象に。
「襖の張替え」と聞くと、専門業者に頼むイメージが強いかもしれません。
実際、本格的な「袋張り」という方法は下地から作り直す手間のかかる技術です。
ですが今回は、古い襖紙を剥がさず、その上から新しい襖紙を直接貼る「上張り」という方法にチャレンジしました。
道具さえ揃えば、1枚あたり約30分。
DIY初心者でも十分に挑戦できる工程です。
この記事では、実際にやってみて分かった手順とコツ、そして失敗した点も含めて正直にまとめます。
Before:色あせと汚れが目立つ襖
長年使われてきた襖紙は、表面が焼けて黄ばみ、ところどころ擦れて模様も薄くなっていました。
破れてはいないため「まだ使えるけど、見た目が古い」という状態です。
用意するもの
今回使った道具はこちらです。
- 水のり襖紙(新鳥の子タイプ)
- トリミングガイド(紙を真っ直ぐカットするための定規)
- へラ(角を整形するプラスチック製のもの)
- なでバケ(空気を抜くための刷毛)
- カッターナイフ
- マスキングテープ
- 水を入れる桶とスポンジ
- プラスドライバー(引き手・蝶番を外すため)
襖紙そのものの選び方(色や柄)はお好みで問題ありませんが、専門的な道具に関しては、襖の張替えに必要な一式がセットで販売されているため、初めての人でも迷わず揃えられる点が大きなメリットです。
個別にホームセンターを回って探す手間が省けます。

作業手順

1. 蝶番と引き手を外す
まずプラスドライバーで蝶番を外して襖を建具枠から取り外します。
作業しやすいよう、襖を平らな場所(畳の上など)に置きます。
今回は扉タイプの襖の交換なので、ドライバーで引き手を外します。
引き戸タイプの襖の場合は、張り替え道具に付属の引き手外しを使用します。

2. 表面の汚れを落とす
襖表面を拭き上げて汚れを落とします。
タオルを水で湿らせても問題ありませんが、襖を破らないように注意しましょう。

3. 縁をマスキングテープで養生する
襖の枠部分にマスキングテープを貼り、紙を貼る際に枠を汚さないよう保護します。

4. 新しい襖紙をカットする
襖をの襖紙の上に乗せ、枠に沿って紙をカットします。

5. 紙にたっぷり水を含ませる
スポンジを使って、新しい襖紙の裏面全体に水を塗っていきます。
ここが今回の作業で一番のポイントでした。古い襖紙の上にしっかりと貼り付けるため、紙の表面に少し水が溜まるくらいしっかりと染み込ませる必要があります。水が足りないと、この後の工程で浮きや剥がれの原因になります。

6. 貼り付け
襖を水を含ませた紙の上に位置を合わせながら乗せ、軽く押さえつけて反転させます。

7. 中央から外側に向かって空気を抜く
なでバケを使い、紙の中央から外側に向かって空気を押し出すように撫でていきます。

8. ローラーで縁をしっかり圧着する
縁の部分は特に浮きやすいため、ローラーとヘラを使って端までしっかり圧着します。

9. 余分な紙をカットする
トリミングガイドを枠に沿わせながら、はみ出た部分をカッターで丁寧に切り落とします。
注意点:このとき、下に敷いてある古い襖紙まで一緒に切ってしまわないよう、トリミングガイドを正確に当てることが重要です。ガイドがずれると下地の紙まで傷つけてしまいます。

10. 引き手と蝶番を戻して完成
最後に引き手を取り付け、蝶番で扉を取り付ければ作業完了です。
After:貼り替え後の襖

色あせて薄暗い印象だった襖が、真新しい紙に変わったことで部屋が明るくなりました。
作業時間は1枚あたり約30分と、思っていたよりも短時間で仕上げることができました。
正直に書いておきたいこと
きれいに貼れたと思っていたのですが、実は数日後に紙が浮いて剥がれてきてしまいました。
原因として考えられるのは以下の2点です。

- 元々の襖紙自体がかなり古く、表面が劣化していたため接着力が十分に発揮されなかった
- 水の含ませ方が今回はまだ不十分だった箇所があった
剥がれてきた部分は、水のりで再度貼り直して対処しました。
この「上張り」という方法は、あくまで簡易的な張替え方法です。
手軽に見た目を新しくできる反面、下地の状態によっては今回のように剥がれが出ることもあります。
仕上がりの耐久性を重視したい方は、下地から作り直す「袋張り」という方法がおすすめです。
袋張りのやり方については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎【ふすま張り替え】破れた襖も蘇る!本格「袋張り」で襖紙を張り替える方法
まとめ
古い襖紙を剥がさずに新しい紙を上から貼る「上張り」は、道具さえ揃えれば1枚30分程度でできる手軽な方法です。ただし、
- 水はたっぷり、表面が少し濡れるくらいまで含ませる
- トリミングガイドは正確に当てて、下地の紙を傷つけない
- 下地の状態によってはうまく貼り付けられないことがある
という点を押さえておくと、失敗が減らせます。
しっかり長持ちさせたい場合は袋張りも検討しつつ、まずは手軽にお部屋の印象を変えたい方はぜひ試してみてください。
今回の記事で使用した道具は以下のリンクにまとめています。
▶︎襖の上貼りで使用した道具一覧
また、今回の工程は以下のYouTube動画でも解説しています。
ダイジェスト版のショート動画になっているので上貼りの方法をより詳しく知りたい方はご覧ください。
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